🕊️ホスピス緩和ケア週間に寄せて🕊️

〜“その人らしく”生き抜くためのケアを支える〜

10月第2土曜日は、
「World Hospice and Palliative Care Day(WHPCD)」
2005年、韓国ソウルでの国際サミットを機に世界で広がったこの取り組みです。
日本でも2006年から「ホスピス緩和ケア週間」がスタートしています。

私たちケアクリ看護センター・ケアクリケアセンターでは、
この緩和ケア週間に合わせて、ある一人のがん末期の利用者さまとの関わりを振り返る機会を設けました。
今回は、先日所内で実施した多職種合同カンファレンス(=デスカンファレンス)の様子をご紹介したいと思います。


🕊️ ひとつのご縁を、チームで振り返る

今回のカンファレンスは、ご自宅でのお看取りとなったご利用者さまについて、
看護師・理学療法士・介護士・事務員のケアクリメンバーで実施しました。

デスカンファレンスとは、
お亡くなりになった方へのサービスや関わりを振り返り、
ケアの質の向上や死生観を育むための会議です。

一見、「お亡くなりになった後に?」と思われる方もいるかもしれませんが、
このプロセスはスタッフのグリーフケア(心のケア)にも繋がり、
その方との関わりを感謝と敬意で包みながら次に活かす

とても大切な時間なんです。

🌸 がん末期の方と過ごした、かけがえのない時間

この方は、がんの終末期にありながら、
「最期まで自宅で過ごしたい」という強い希望を持たれていました。

ご本人とご家族、そして私たち支援チームで何度も話し合いを重ね、
看護師・理学療法士・介護士が一体となって支援をさせていただきました。

日々の訪問では、痛みの緩和、体位の工夫、食事や排泄のケアなどに加え、
お話し相手となる時間もまた、心のケアとして大切なひとときでした。

看護、リハビリ、介護、それぞれの立場で関わったスタッフからは
「あの時のあの言葉が忘れられない」
「ご家族が笑顔だった瞬間を見て安心した」
「夜間に駆けつけた時、チームの存在を感じた」など
たくさんの想いが語られました。

一緒に過ごした時間はもちろん、
ご家族への声かけなど、
一人ひとりが大切にしていた配慮や行動が共有され、
改めて、“ひとりではできないケア”であったことを実感しました。

🌱 緩和ケアは「その人らしく生きる」ためのケア

緩和ケアというと、がん末期だけの特別な医療と思われる方も多いかもしれません。
ですが、実際にはどんな病気・どんな年齢・どんな状態でも
「痛みや苦しみを和らげたい」「その人らしく過ごしたい」
そんな想いがある限り、緩和ケアは必要で、提供されるべきものです。

「治す医療」ではなく、
「支える医療・支える看護・支えるリハビリ」が、
人生の最終章においては何よりの力になります。


🤝 多職種で連携するということ

情報共有のタイミングや手段、連携の工夫、
それぞれの視点でのアセスメントやケアの実践が
「安心感」にどう繋がったかを皆で確認しました。

「チームで関わってくれていて安心だった」と
ご家族がこぼしてくださった言葉は、
スタッフにとっても何よりの励みになっています。


🌱 ケアを創造し続けるために

ケアクリでは「ケアは日々つなぎ、創造していくもの」と考えています。

今回のように同一事業所内での看取りでは、
看護・リハビリ・介護が自然に連携できる環境があり、
その強みを最大限に活かすことができました。

この振り返りの時間は、
次にまた誰かの人生を支えるために
私たちのケアを“進化させる”きっかけでもあります。


🌸 最後に

🎈WHPCD=ホスピス緩和ケア週間をきっかけに、
ぜひ、身近な人と「自分らしく生きること」「最期をどう迎えたいか」について
少しでも話すきっかけになればと願っています。


📍人生の最終章に、私たちが寄り添えたこと。
その時間は何よりも尊く、私たちに「人としての看護・介護とは何か」を教えてくれます。

ご本人への敬意と、
ご家族への感謝と、
そのすべての「ご縁」に、心からのありがとうを込めて。


📍八尾市・柏原市を中心に、看護師・理学療法士・介護士が
一丸となって在宅療養を支えるプロ集団として、これからもCare Creationは、
心と心をつなぎ、人生に寄り添うケアを届け続けていきます。

投稿者:nakase