訪問看護での工夫                   ~その人に合ったお薬💊管理を一緒に考える~


◆今回は、お薬の管理について、私たち訪問看護師が日々の訪問でどんな工夫をしているのかをご紹介します!!


在宅療養支援の中で多い支援内容に「お薬管理」があります。これは看護師の仕事の中では「診療の補助」「療養上のお世話」のどちらにも該当します。内服治療がきちんと継続でき、できるだけ自立した生活を続けることを支援することにつながります。
複数のクリニックを受診していたり、曜日によって服用する種類が違ったり、、でも…「曜日がわからない」「昨日の分をまた飲んでしまった」など、服薬に関する混乱が多いのも事実です。

そこで私たちは、その方に合った方法を一緒に探しながら、次のような工夫をしています。


① 服薬カレンダーより“少なめセット”で混乱を回避

「1週間分まとめて入れると、“いつ飲んだかわからなくなる”って言うんです」

そんな方には、週2回の訪問で3〜4日分ずつお薬をセットする対応をしています。
これならカレンダーの空き具合で迷わず、間違いも減ることがあります。


② 多職種連携で“必ず誰かがチェック”

  • ヘルパーさん
  • デイサービス
  • 看護師(私たち)

この3者で連携して、「毎日どこかで必ず1回、お薬を確認できるように」調整。
主治医の先生にも相談して、内服は1日1回に統一してもらうなどの工夫もしています。


③ BOX派の方には“日にち+曜日”で明確に

服薬カレンダーがピンとこない方には、1週間BOXに日にちと曜日を書いてセット
シンプルだけど、目で見てわかるのが一番!という方に人気です。


④ 週1回の糖尿病注射もサポート

インスリンやGLP-1受容体作動薬など、週1回の注射管理が必要な利用者さんも増えています。
「針が怖くてできない」「忘れてしまう」…そんな声にも、看護師が訪問して安全に実施しています。


⑤ 受診も“電話ひとつ”で支援しています。

認知症でも、まだ一人で受診ができる方の場合。ただ、「受診を忘れてしまう」ことがあるんです。

そこで私たちは、診療時間にあわせてお電話をさせていただきます。

「今、先生のところ空いてますよ〜!今日は受診の日ですよ!」

このひと声で、スムーズに受診していただけることも少なくありません。


以上、お薬管理も千差万別、支える形もオーダーメイドでサービス提供させていただいております。

お薬の管理って、「これが正解!」という形はありません。
その方の生活スタイル、理解力、希望…いろんな要素を見ながら、最も混乱しない方法を一緒に探すことが、訪問看護での大事な役割のひとつだと私たちは考えています。訪問薬剤管理指導といって薬剤師さんがセットしてくれるサービスもありますので、しっかり連携し多職種で支援させていただきます。

「うちの家族、薬を飲み忘れてばかりで…」
「何度も同じ薬を飲んでしまって心配」

そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたに合った「安心できるお薬のかたち」、一緒に考えていきましょう。

投稿者:nakase